きっと

生きてる証

efを絶賛しながら墓参り

 忘れたくない想い、ありますか?

2019年2月にエロゲブランド「minori」のソフトウェア製作終了が発表されました。発表当日はTwitterのトレンドに上がるほどの話題に。前好きだった作品がある、今も追いかけ続けてる、あの作品から離れられない……人それぞれですが、思い思い心情を吐き続けていました。

僕もその中のひとりで、とにかくef - a fairy tale of the two,に魂を囚われ続けてます。

http://www.minori.ph/

ef - a fairy tale of the two.(通常版)

ef - a fairy tale of the two.(通常版)

 

 2007年にアニメも放送していた本作。最近で一番話題になったのはOPを新海誠が作成していたことでしょうか。美麗なOP、インタラクティブ・ノベルとして決して古臭くないストーリー、廃墟の音羽、そして……「ef」という言葉の意味。この作品の全てに引きずり込まれてしまいました。

そんな思いを抱いてminoriのおそらく最後であろう出展、キャラ1に行ってきました。

 

 いろんなことがあったのですが、並んだ瞬間目に入ったこれで膝から崩れ落ちました。

 「おはか」の文字で"号哭"───。本当に終わってしまうんだなと実感させられてしまいました。

minoriの列、本当に2019年か?ってぐらい並んでいて、一部では「参拝客」「参列」「歴戦の戦士の死に際」などと言われてました。言われてないかも。

先行入場で入ったのですが、僕のときにはすでに新作Tシャツが売り切れ。もはや倉庫から出してきたと言っている過去の商品がハチャメチャにテーブルに並んでいる状態に。並んでる側も何がおいてあるのか誰もわからない、混沌とした「minori」っぽい状況でしたが、訓練されたオタクたちはそれでも並び続けていました。

目的の9割はこれだったので、あとは同時開催されていたコミ1や他の企業ブースを見ながら「minori ending vocal collection 2」を購入。「12の月のイブ」等、比較的新しめのminor作品のエンディングテーマを担当しているAyumi.さんの「悠久の翼」「ever forever」カバーが収録されています。

天門さんと柳さんのサイン会抽選もありましたが、残念ながら落選。

話は逸れますが、オタクの殆どが好きな「秒速5センチメートル」のBGMを担当しているのも天門さんです。これって本当にすごいことで、秒速5センチメールもefなんですよ。わかりますか?物語は一つじゃないんです。人間が集まってそれが物語になるんです……(発作)

 

efとは

ef - a fairy tale of the two,は、前編である「ef - the first tale」と「ef - the latter tale」の二部で構成されたアダルトゲームです。アニメも放送されていて、一期「ef - a tale of memories」と二期「ef - a tale of melodies」のこちらも二部構成。一期は「CLANNAD」と同じシーズンに放映されていたこともあり「CLANNADは人生、efは物語」とまで言われてました。僕が勝手に言ってるだけかもしれません。

舞台は音羽という観光都市。ヨーロッパ風の街並みで、とても日本とは思えない建築物の数々が美しい街。物語は、その音羽の教会から始まります。

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雨宮優子は音羽に住む女性。彼女が語るのは、二組の男女の物語。

学生でありながら少女漫画家としても活動する広野紘は、多忙な日々を送っていた。クリスマスの夜、ひったくりを追う宮村みやこと広野紘は出会う。幼馴染であり、紘に好意を寄せる新藤景とみやことの関係、仕事の悩み、将来……広野紘は、紘なりの答えを見つけていく。

紘の友人、堤京介は体育館でシュートを打つ景を見て、彼女をメインにした映画を作成しようと思い立つ。とあることによりふさぎ込んでいた景は、どこか冷めた目でみながらも、彼の熱意、姿勢に少しづつ惹かれていく。そして、「二人」が再び前へと進むには。

ミステリアスな雰囲気を纏う彼女、雨宮優子は神出鬼没に、彼らの悩みを聴いて、弄り倒していた。どこにでも現れる彼女は「ご奉仕メイド」を自称して、あるときは励ましたり、あるときは叱咤したりと彼らの背中を押していた。

彼女の語った物語。それを聴いた火村夕も、また語る。ここに来た理由……優子と再会するきっかけになった物語を。

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 麻生蓮司は進路に悩んでいた。「いつか物語のように、何かがおこって主人公になれる」なんて思っていた彼は、結局何も起きないまま白紙の進路相談の紙を見ることしかできなかった。しいて言うなら小説が好きだが、それを仕事にするには短絡的なんじゃないかと決められずにいた。そんなとき、無人の駅で新藤千尋に出会う。新藤景の双子の妹である彼女は、活発な姉とは反対的に儚げで、左目につけた眼帯が特徴的だった。

過去に負った特殊な障害を持つ彼女は、物語を書きたいという夢が叶えられずにいた。蓮司の手助けを受けながら、二人は惹かれ合い、物語を完成させていく。

だが、些細なことで齟齬をきたした二人の物語は、思わぬ結末へと進む。そして、千尋の「問題」。彼らは、甘く……つらい道を進んでいく。

新藤景にはもうひとり妹が……正確には、妹のような存在が居た。彼女は羽山ミヅキ。音羽学園の付属校に通う彼女は、休みを利用し従兄弟である蓮司の家に訪れていた。

景の後輩で、熱狂的なファンを自称する彼女は元気、もといやかましく、人懐っこい。蓮司の母のすみれは、隣人の久瀬修一にお目付け役をお願いする。「海に近づいてはいけない」と一言添えて。その意味がわからないまま、久瀬はミズキの面倒をみることになる。だが、プロのヴァイオリニストである彼にはとある秘密があった。それこそ、ミズキの面倒をみているような場合ではない秘密が。

彼らの悩みを聴き、千尋の保護者でもあるのは火村夕。

とある事情により千尋の保護者をしている彼は、久瀬とは学生時代の腐れ縁でもあり、音羽のOBでもある。教会関係者ではないが、いつも教会にいる彼はやはり雨宮優子と同じくミステリアスな雰囲気で、何をしているか謎の人物だった。

ミズキが久瀬の秘密を知り、それでもなお近付こうと、好意を寄せる彼女を拒絶する久瀬。彼を諦めきれないミズキは、"ある人"から力を借りる。

それは、過去の話。雨宮優子と、火村夕の話。過去の、音羽学園。

そして、ミヅキと久瀬は未来を選ぶ。生き抜くことか、諦めるか。

舞台は再び夕と優子のいる教会へ。二人が語ったすべての物語は、ここに収束する。

「ef - a fairy tale of the two,」とはなにか、二人の選んだ、見つけた答えは。その全てが明かされる。

 

ざっとあらすじを紹介しましたが、本当に好きなんです。前編は「前に進む話」で、後編は「今を受け入れる話」。前を向き未来へと進んでいく話と、受け入れて今を生きる話。真反対の2つが絡み、舞台のギミックにもつながっていく。この作品に出会ったのが思春期真っ只中だったので、心の深いところに残り続けているような感覚がずっとあります。

どのキャラも、何かしらを背負っている……みんながみんな物語の主人公になっている。そして、それらが最後に繋がる。たまらないですね。おかげで心に深い傷を負ってたり重い過去を背負ってる女性でないと抜けなくなりました。

アニメ版も同じ話なので「ゲームはちょっと……」って人はアニメ版を見てください。見ろ。お前らの好きなシャフトが作ってるぞ。好きだろ?毎回OP映像が変わるとかさ、コテコテの演出とかさ、好きだろ?そういうの見たいだろ?見たいって言え(過激派)

 

minoriの最期とefの意味 

 16時からminoriありがとうライブがやっていたそうですが、時間の都合的に断念……ですが、これが本当の「ef」だったそうです。

僕はずっと「ef」ってなんだろうと思っていました。first tale/tale of memoriesのeuphoric field?latter tale/tale of memoriesのeternal feather?それとも、天使の羽ばたきであるemotional flutter?……答えは、ラストライブで、本当の、終わりで。

minori」は“We always keep minority spirit.”

メジャーな作品とは異なるアプローチをすることで、新たな表現を、物語を。「minority」が存在してもいいのではないか、なんて。

ライブ最後の曲……「ever forever」これが「ef」の答えなんだなと、ずっと永遠に、永遠に終わらない物語を見せてもらえたんだなと。

きっと僕は、この先もずっとefに拘って、縋ってしまうと思います。それでもいいんです。

だって、これが、僕の忘れたくない想いだから。